施設概要
当館は、館内で本を楽しんでいただく文化施設です。本の貸し出しは行っていませんが、天気の良い日には本を外に持ち出して公園やウッドデッキで読むことができます。
みなさまに安心してご利用いただくために、来館の際はお子さまから目を離さないようにお願いいたします。また、ご高齢の方や障がいのある方、車椅子をご利用の方に当館をお楽しみいただけるよう、設備をご用意しております。ご来館の際に、ご不明な点やサポートが必要な場合は、お気軽にお尋ねください。
入口をくぐると、足元から天井まで壁一面が本棚になった、まさに“本の森”がみなさんを迎えます。本棚の5段目より上にある本を眺めると、表紙が見えるように並べられています。文字が読める、読めないに関わらず、すべてのこどもたちが本の顔である表紙、絵を見て「あの本が読んでみたい!」と興味を持ち、新たな本との出合いのきっかけをつくる工夫の一つです。展示本は免震対策がされており、手にとって読んでもらえるよう同じ本を下段にご用意しておりますのでご安心ください。ぜひ本の森の中から、あなたのお気に入りの一冊を見つけてください。
天高のある円筒形の休憩室は「こども本の森 神戸」館内でも安藤忠雄さんの建築の特徴が際立った場所といえるでしょう。トップライトから降り注ぐ光が空間を包み、教会のような荘厳さを醸し出しています。「神聖さを称えたこの場所にふさわしい家具は何か?」と考えたとき、「チャーチチェア」がふさわしいと思い至りました。チャーチチェアとは、イスの背面に本(聖書)が収納できるボックスが付属した、教会にあるイスです。この場所では聖書でなく、静かな空間でこどもたちに読んでもらいたい本を収納しています。本は週替わりで変わっていくので、どんな本が収納されているかは来館時のお楽しみです。
「こども本の森 神戸」のスツールや本棚のテーマを示す看板には、神戸市のシンボル「六甲山」に生えていた木々など地元産の木材資源を使用し、一つずつ丁寧につくっています。ここで読書をするこどもたちに、自然素材でつくられた上質な家具にふれながら、心地良い読書時間を過ごしてほしいと願っています。
こども本の森を手がけた安藤忠雄さんが「青春のシンボル」としてデザインされた青りんごは、米国の詩人サミュエル・ウルマンの詩「青春」がモチーフになっています。「青春とは人生のある期間ではない。心のありようなのだ」などとつづられた詩に共感した安藤さんは「目指すは甘く実った赤リンゴではなく、未熟で酸っぱくとも明日への希望へ満ち溢れた青りんごの精神」との想いを込めてつくられました。